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不思議絵師蓮十―江戸異聞譚〈2〉 (メディアワークス文庫)不思議絵師蓮十―江戸異聞譚〈2〉 (メディアワークス文庫)
(2013/01/25)
かたやま 和華

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内容(「BOOK」データベースより)

今日も花のお江戸には不思議な事件があふれている。
描くものに命を吹き込む不思議絵師、蓮十の周りではおかしな事ばかり。
蓮十にいつもやきもきの地本問屋のお嬢さん小夜。いなせで破天荒な悪冶の歌川国芳。
二人も加わり、江戸の町をいったりきたり。
十軒店の雛市で、鼠除けの絵から猫股が抜けだしたって?そりゃ大変だ。実は蓮十が描いた絵で。
放っておけないとばかりに、蓮十と国芳は猫股をふん捕まえようといさむのだが?
江戸の情緒あふれるふしぎな浮世絵物語。





絵が動き出すという、なんとも愉快なお話です。

それも絵によって性格まで違ったり、ここにはいない人を呼び出したりとなかなか面白い。

小夜お嬢さんと蓮十の掛け合いがまた面白いのです。

しかし、読んでいる分には面白いけど、本当に絵が動き出したらさぞ恐ろしい事だろうなぁ。


と、いうことで、つい先日私の身に起きた(私にとっては)恐ろしい話をば。

その名も
「特急電車京都行き事件」

友人と出かけた帰り、電車を待つため私はホームにいた。

何度も利用している駅、私の庭の一部と言って過言ではないだろう。

私が、やっぱり新しい靴は少し疲れるな、などと考えていた頃、一台の電車がホームに滑り込んできた。

それを見た瞬間私の勘は乗るなと警笛を鳴らしていた。

勘だけでなく、視覚も、何かがおかしいと気づいていた。

その電車は明らかにいつも乗っているそれとは様子が違ったのだ。

銀色に包まれた四角形であるはずのそれが、ベージュの丸だったのである。

そこで素直に、はいそうですかと勘に従うべきだったのだ。

しかし、脳の勘に対する小さな反抗なのか、その明らかな異形に私は乗ってしまった。

乗った瞬間しまったと思ったが時すでに遅し。

私が勘を置き去りにしてきたホームは無情にも遠ざかって行く。

車輛と車輛のあいだに乗り口がある時点でおかしいのである。

案の定右の扉には‘指定席’、左には‘自由席’と書いてある。

私は拙い脳を頼りに電車の情報を手繰りよせた。

指定席には絶対行ってはいけない。確か切符を見に来る描写がテレビであった気がする。

そんな情報から『車輛に入るべからず』という結論を出した私は、車輛と車輛の狭間で立ち尽くした。

さて、予定通りの電車に乗っていれば、三駅ほどで最寄駅なのだが、果たして止まるのだろうか。

電車はスピードをおとす気配を見せない。

ひとつ、ふたつと駅が見送られて行くのを私は半ば放心状態で眺めていた。

頭上では換気扇が耳障りな音を奏でている。

この調子では、次に来るであろう最寄駅はおろか、そのあとしばらくは止まらないだろう。

そして、乗る前に目に飛びこんだ行き先は‘福知山’すなわち‘京都’である。

そう思うと無性に家が恋しく思えた。

嗚呼、私の未読本たちはどうなってしまうのだろう。

そんなことを考えていると、無情にも最寄駅はスルーされた。

これはいよいよマズイことになったと、思考を取り戻す。

今は便利な時代である。

私はスマホを片手にこの得体の知れない乗り物の情報を漁りまくった。

すると、宝塚で停車する可能性が炙りだされたのである。

一縷の望みにかけて、私は身を潜め続けた。

そうしている間にも駅員さんが切符見回りをしていたのである。

世の空き巣もこんな思いをしているのかもしれないと、的外れな共感をしていたら、

電車は速度を落としていった。宝塚で止まったのである。

私はその時、安堵にも勝って、電車に対して、いや天に対して大いなる怒りを抱いていた。

めったに来ることはない電車をわざわざ私の前に滑り込ませるとは、嫌がらせとしか思えない。

もう二度と電車になんて乗ってやるもんか。

そうすれば多少なりとも電車業界にダメージを与えることが出来るかもしれない。

そう思っていた翌日、私は同じ路線の電車に乗る羽目になったのだった。






不思議絵師 蓮十―江戸異聞譚 (メディアワークス文庫)不思議絵師 蓮十―江戸異聞譚 (メディアワークス文庫)
(2012/01/25)
かたやま 和華

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2013.2.23 読了





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